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伊弉諾は、柵によりかかり、打ち上げられる花火を見た。
輝き、眩しい、その煌めく男は、嬉しそうな顔で、伊弉諾にこう言った。
「手伝ってくれてサンキューな。お前が居なかったら出来なかったぜ」
伊弉諾悠は平凡人だ。
趣味はない。部活はしない。勉強はしない。そして、友達がいない。
――何もできない男では無く、何もしない男。
そんな男が、たった今この時、自分から足を動かそうとしていた。自分から、変わろうとしていた。そんな小さな変化が芽吹くのは、少し、先の話かもしれない。
『何もしない男の日常』から『何かをする男の日常』へ。彼の日常は、この日を境に、変化する。
非日常SF学園青春恋愛スぺクタルストーリー。
この景気良い花火を幕開けとし、彼の物語は始まる。
因みに宮崎はこの後説教された。
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