第一章

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思わず目を瞑りたくなるような冷たい風が吹き抜ける。 マフラーに顔を埋めて、 黄色や赤に色づいた公園を横目で見た。 「よぅ」 「…………毎日暇なんですね」 「ん……まぁ、そうでもねーけど」 学校帰り。 いつも通る公園の前の道。 そこに、キラキラと金髪をなびかせる笹本さんが立っている。 もう、見慣れた光景。 「今日は一段と寒いなー」 「冬ですからね」 寒そうに裸になった木を見上げて、ポツリとそう言った。 冬って人肌恋しくなるとか言うけど……そんなこともないよな、とかどうでもいいことを考えながら。  
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