第10話

9/9
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
 あたしが信也に心配されて、元気付けられている。 「ごめんね、ごめん。でも……」  一層感情が溢れて止まらなくなる。 「お願い……。あたしを……支えて……」  支えるのはあたしのはずなのに。  どこかでいつものあたしが蔑んで笑う。  今のあたしはただ泣く。  これから始まる長いリハビリ。  それは、あたしのためかもしれない。  信也に支えて欲しい。ずっと側にいたい。離れたくない。  だから絶対に諦めない。  信也が望んでいる。応えたい。  罪を飲み込んで、あたしは生きる。信也と一緒に。  決意じゃない。想い。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!