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乱暴に手を離され、 わたしは反動で椅子ごと バランスを崩した。 あっ、と思った時には、 ガシャン!という 椅子の倒れる音とともに、 床に叩きつけられていた。 肘と腰に激痛が走り、 思わず呻き声を上げる。 たまらずその場に うずくまると、 月子ちゃんがしゃがんで わたしの肩を持ち上げ、 強引に身体をひっくり返した。 仰向けに倒されたわたしの目を、 裸電球の光が射る。 それを遮るように、黒い影が わたしにのしかかり、 両肩を押さえつけた。 「美雪のお兄ちゃんに 協力してるの、あんたでしょう?」 わたしは小刻みに、 首を横に振った。
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