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「…わたしじゃない…」
「嘘。…さっきだって、
中庭で仲良く話してたじゃない。
…他に誰がいるっていうの?」
「知らない…わたしじゃない…」
突然、パン、と目の前に
火花が散って、じわりと
頬が熱くなる。
ジンジンと痛みが
込み上げてきてから、
平手で思い切り
頬を打たれたと気付いた。
「私の事が、邪魔なんでしょう?
…学校から、…哲哉くんの家から、
私を追い出したいんでしょう?」
「そんなこと、…思ってない…」
再び、バシ、と同じ
場所に衝撃を受ける。
揺らされた頭がくらくらして、
一瞬気が遠くなった。
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