321人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「待って…ほんとに違う…。
更科くんは、
…わたしの事なんか、
好きじゃない…。
好きじゃないのに、
…嘘、ついてるの…」
月子ちゃんの動きが、
ぴたりと止まった。
「嘘…?」
わたしは力なく頷いた。
それは、最初から
感じていた事だった。
更科くんが、
『萌を手に入れたい』と
口にするたびに、
わたしは違和感を覚えていた。
この人は、
わたしのことなんか好きじゃない。
それどころか、
――最初から更科くんは、
あえて春山先生の嫉妬を
煽るような行動をしていた。
まるで、わたしたちを
しっかりと結びつけようと
するかのように。
最初のコメントを投稿しよう!