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バクバクと 激しい鼓動が耳を打つ。 わたしは、自分の身体が 震えている事に気付いた。 もし、今、ここで火を つけられたりしたら…。 以前見た、燃え上がる 体育館の映像が頭を過る。 頭が真っ白になって、 周りの景色が揺れる。 パニックで呼吸が 止まりそうになり、 わたしは急いで深呼吸をした。 どうしよう――どうしたら―――。 わたしは辺りを見回した。 目に入ったパイプ椅子に 駆け寄り、持ち上げる。 思い切り振り上げ、 勢いをつけて扉に投げつけると、 ガシャン!という物凄い音が響き、 パイプ椅子が跳ね返った。 それでも、扉は びくともしていない。 もう一度パイプ椅子を 拾い上げ、振り上げた時だった。 ガチャリ、と階段の上の 扉が開く音がした。
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