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「腫れて、熱持ってる。 すぐに冷やさないと。 痛むだろ?」 優しい問いかけに、 張りつめていた心が 解け、涙が込み上げる。 わたしは白井さんに抱きついて、 声を上げて泣き出した。 「…怖かったね、萌ちゃん…」 白井さんはわたしを きゅっと抱きしめ、 優しく頭を撫でた。 「巻き込んで、悪かった…」 そう言って、さらに きつく抱きしめる。 …え…。 しゃくりあげながら、 わたしはその言葉の意味を 考えていた。 …巻き込むって…。 胸から顔を上げると、 思ったより顔が近くて、 慌ててもう一度顔を埋める。 「…もう、大丈夫だよ」 大きな手のひらが もう一度わたしの頭を 包むように撫でる。 「とにかく、ここから出よう。 早く帰らないと、お家の人も 心配してるだろ?」 白井さんは腕を解き、 よろけるわたしを支えながら ドアの方へと進んだ。
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