第2章の続き

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 が、私と配達員の水野は一応主役ということで、店長の両脇の席を指定されてしまった。  私は仕方なしに、決してその気持ちを出さぬように努めながらお酌をして回った。  途中残り時間を告げに来た店員の声を聞いて、彼らがまるで呑み比べの様に酒を呷る理由を知った。  ピッチが早いだけに、たった1時間で完全に出来上がっている者もいる。  よし、お酌にかこつけて傍へ行こう、と思ったタイミングで蓮が立ち上がり座敷を出て行ってしまった。  三輪を囲んだ辺りで何かをはやしたてるような声が沸き上がった。  見ると蓮と仲の良い坂井という小柄な中年が千円札を唇に挟んでいる。  そして何と、そのまま三輪の豊な谷間に顔から突っ込んだ。  三輪がすかさず両手を使い、その巨大な胸で坂井の顔をサンドイッチにする。
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