第2章の続き

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 真理子は甲斐甲斐しくお酌をして回っている。  ホルスタイン並の乳を半分以上わざと見せている事務員の三輪は、男達に囲まれて奇声を上げている。  何とも対照的な女2人の姿だった。  あのランクルのヤクザと、洪が同じビルへ入っていったのは偶然ではないだろう。  共存を図るヤクザと中国マフィア――。  上辺では一蓮托生を装い、腹の底でお互いを毛嫌いする同じ穴の狢。  俺が渋谷でチームの頭を張っている時、ヤクザが金や薬をチラ付かせては寄ってきたものだ。  蛇頭が密入国と合わせて密輸した薬をヤクザに卸す。  そしてヤクザがそれに成り切れないガキ共を売人に仕立て、東京中に売り捌く。  その上がりの一部で、ヤクザは中国マフィアから薬を仕入れる。
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