第2章の続き

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 ◇  おっぱいパブ?  一体どんなパブだろう。  飲み会の会場は、その類いの意味不明な看板と、飲食店の看板がごちゃ混ぜに掲げられたビルの二階に入った割烹料理の店だった。  案内されたお座敷には既に料理が並んでおり、エアコンの吐き出すカビ臭い冷気がそれを冷やしていた。  宴会は、乾杯と同時にそれぞれが料理と酒を貪り喰らい始まった。  歓迎会と言うのは案の定建て前で、彼らにとってはたまの休刊日前に催される一種の慰労会なのだろう。  一番遠い席に座り、不機嫌な顔でビールを呷る蓮を見て、せっかく待っていてくれたのに、あの態度はなかったなと反省した。  折りを見て「帰りにどこかで話そう」と蓮に言ってみるつもりだった。
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