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「お、おはようございます……」
やっとの思いで挨拶を返すと、男の格好から里紅の方が後にコンビニに入ったのだと分かる。
薄手のパーカーを羽織り、ジャージにサンダル。寝癖の直りきっていない髪型と、眼鏡。
いや、眼鏡は標準装備か?
「朝食のお買い物ですか?」
油断していた里紅は岩月航におかかのおにぎりを先に取られてしまった。とは言っても最後の一個を取り合っていたわけではないので遅れながらもおかかを手に取る。
「休み中はバイトで忙しくて買い物に行ってなかったんですよ」
ついでに真下に陳列されている"わかめごはん"も手に取った。
「そうでしたか。……ところで」
「はい?」
航の頭の先から足下まで何往復も動く視線に気付き、里紅は一歩下がる。
気味が悪いというか、ジロジロ見られるのに慣れていない。
「高校生だったんですね。てっきり大学生だとばかり思っていたました」
頭を掻いて照れる航に、警戒心を弱めて小さく笑った。
「私服だったし、一人暮らしも長くなってきましたからねぇ。そう見えちゃうのかもしれませんね」
「一人暮らし……管理人さんに聞きました。大変ですね」
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