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(何をしている人なんだろ……)
真っ直ぐ一階まで下りたエレベーターの扉が開き、外に出る。マンションの一階の一部がコンビニになっていると言っても、中から出入りすることは出来ない。一旦外に出てから従業員入口を入る。
「おはよう、里紅ちゃん」
休憩室にいたのは店長でマンション管理人の一人娘の仁科 佳奈。一昨年に結婚して増井から仁科に苗字が変わり、マンションの最上階の五階に住んでいる。
「おはようございます」
「お隣さん今日だっけ? もう会った?」
「はい、ついさっき鉢合わせしました」
鞄をロッカーに入れ、代わりに出した制服を着て、最後に鏡の前でチェックをしてから店内に入る。
深夜のシフトに入っていた人と交代して里紅は気を引き締めた。
「若い人だよねー」
水色の外壁でL字型になっているマンションの一階で緑色の看板が目立つコンビニの店内に佳奈の気の抜けた声だけが聞こえる。
「私も結婚する前だったらなー」
「まだ学生の方なんですか?」
「ん?」
里紅が何気なく聞いたことに、目をぱちくりさせる佳奈。
話が噛み合っていないこに気付かず、二人は同じタイミングで首を傾げた。
「新しい人は先生だって聞いたけど?」
「え?」
「え?」
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