二章 自称村一番の美女

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  (Sランクか騎士……、ですか)  実を言えば、リューティスはどちらも当てはまっている。現在使用しているギルドカードのランクはAとなっているが、あれはギルドマスターと中央の国王と、さらには世界政府の許可を経て発行された本物でありながら偽のカードであり、リューティスの本来のランクはもっと高い。  世界政府は国同士の関わりに関して取り決めをおこなう機関であり、全国共通のギルドカードに関しては、世界政府も関わってくるのである。  そして、リューティスは中央の国王陛下に仕える近衛騎士でもある。このことを知る者はほとんどいない。紅髪の親友にも、はっきりと口にして教えたことはない。彼ならば薄々気がついているであろうが。  ほとんどの義務を免除され、ほとんどの権利を放置しているが、国王から声がかけられればギルドの仕事も投げ出してでも駆けつける。リューティスは国王のことを心底尊敬しているのである。  リューティスは、息子同然とまでいってくれた国王に、親愛の情を抱いている。それでも国王はリューティスにとって守るべき存在であり、また、国に属している以上、自分は国王に守られるべき存在でもあるということを知っている。  閑話休題。 .
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