二章 自称村一番の美女

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  「……魔法、お教えしましょうか?」  気がつけば、そんな言葉を発していた。 「おまえになんか誰が教わるか」  きつい言葉を返されて苦笑を漏らす。リューティスに教わるということが、この女性のプライドがゆるさないのだろう。 「……では今からいうことは独り言ということで」  これならば彼女も変に意地をはることなく、耳を傾けることくらいできるだろう。   無言になった彼女に密やかに笑いながら、口を開く。 「貴女の魔力は治癒魔法向きです。治癒魔法を訓練して、どこかのパーティに混ぜてもらえば、すぐにAランクまでのぼりつめることができるでしょう。あとは努力次第です」 「────っ……」  聞き返したいことは、山ほどあるに違いない。なぜ魔力だけでどんな魔法に向いているか判断できたのか、どうしてAランクまですぐに上がれると思ったのか。しかし、それを問うことは彼女のプライドがゆるさない。  彼女の葛藤がなんとなく感じ取れて、リューティスは笑いをこらえた。  ──人には向き不向きがある。魔法の向き不向きは、その者が持つ魔力の性質のようなもので、決まるものだ。  彼女の魔力が治癒魔法に向いているように、リューティスの魔力も向いているものがある。 .
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