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気に食わぬことがあればわめきちらし、民から搾り取った税金で派手で無駄の多い暮らしをする。
国王陛下も手を焼いているようで、脱税や民に対する脅迫等の証拠を見つけては、勘違い貴族を切り捨てている。
「貴族ではありませんよ。一介のギルド所属者と農民の子供です」
「ギルド所属者の子、ね。……あぁ、ここだよ」
立ち止まった村長。その前に立つ建物は、村長の家よりも丈夫そうな木造の建物である。
真鍮製の鍵をポケットから取り出した村長は、それを鍵穴に突っ込み、回した。かちりと小さな音がする。鍵があいた音であろう。
村長が食料庫の扉を開け放つ。無論中は真っ暗である。光属性魔法を使いたいところであるが、今は使えないことになっているため使わない。
「今は刈り入れ前だから随分空いているように見えると思うけど、冬前には毎年いっぱいになるんだ」
だいぶ暗闇になれてきた目で、食料庫の中を見回すと、なるほど確かに量が少ない。
根菜類や麦から干し肉や薫製肉らしきものまで、様々なものが並べられていた。
湿気や虫を避けるための魔方陣が床に描かれており、これで食料を守っているのだろう。
魔力の接近を感知して振り返ると、村長の家の方からシーナが駆けてくるのが見えた。
「──村長、持ってきました」
シーナは村長に駆け寄ると、手にしていた小さな革製の袋を手渡す。
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