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彩佳の言いたい事は分かる。
だが―…
「次も助けてやれるとは限らねぇしな。
自分の願いは自分の中に秘めてこそだ、お前もそうだろ?彩佳。」
自嘲気味な笑みを浮かべたままテーブルを拭き終えたらしい彩佳は少しだけ眉を寄せて立ち上がる。
「私の願いはウォリア様が救世主になることそしてその手伝いをする事よ。」
律儀にお辞儀をして去って行く彩佳。
その胸元に桃色の翼の紋章が見えた。
「俺の願いはー…」
再びため息を吐く。
あの子は…ライルは生き残れるのか。
そもそも俺はライルと戦えるのか。
「いや、やらなきゃならねぇんだ。」
強く願いを口にする。
しかしそれは声にならずに消えていった。
―…願わくばあの子が無事に戦えますように。
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