ー 其の零 十六夜月の出逢い ー

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 あまり関わり合いにはなりたくはなかったが、意を決して声をかけた。 土方 「………おい、てめえ、生きてるか?こんな所で、何してやがんだ?」 ついつい『詰問めいた口調』になってしまうのは、『職業病』のようなものだから、この際、仕方なかろう。 土方の声に反応した『影』が、ゆっくりと顔を上げた。  その瞬間。朧に隠れていた月が現れ、その『影』の姿を、蒼白い光で照らし出す。 その『姿』に、土方は思わず目を見開き、息を飲んだ。  ー見たこともない不思議(中華風?)な装束・腰までを覆う、藍色がかった艶やかで長い黒髪に、透き通るような白い肌と、赤く色付く唇。 そして、何より目を引いたのは、その瞳だった。   ー左右で色の異なる、蒼と金の妖眼だったー  見れば、まだ『元服前』にも思えるような、『子供』と言って差し支えない年頃であろう。  だが。その異様とも思える、『浮世離れ』した美貌も手伝って、『男か女か』判断はつきにくかったが、土方は大して気にせず、言葉を紡ぐ。 土方 「おい、『小僧』。てめえみてえな餓鬼が、出歩いていい時刻じゃねえだろ?こんな所で、何してやがったんだ?」
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