52人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
「しおり、帰るぞ。て、グハッ」
しおりは体育館裏にあらわれた赤司の腹を殴った。
「人を雪降ってるとこに放置しないでよ!!死ぬかとおもったんだよ!?」
「それはすまなかった。じゃあ帰ろうか。ほら。」
赤司はしおりの前で背中を見せてしゃがんだ。
しおりは首をかしげる。
こいつなにしてんだという感じで。
「寒いんだろう??おんぶして家まで帰るんだ。」
「……いいの??」
「今回だけだよ。」
それを聞いたしおりは赤司に飛びつき頬擦りをした。
そして満面の笑みで言う。
「ありがとうっ!!」
このとき微笑むしおりを見た赤司の心の中のなにかが変わったのはまだ誰も知らないのである。
「温かいなぁ……」
「それならよかった」
「ねぇ、赤司はなんでバスケ部のみんなといるの??」
「それは……自然に集まるからじゃないか??」
「問いかけられても困るよ。……じゃあ一緒にいて楽しい??」
「そりゃ……もちろん。」
赤司はいつもみたいに堅苦しくない顔でそう語った。
ほんとに楽しいんだと感じることができる。
「その気持ち、大事にしなよ」
最初のコメントを投稿しよう!