52人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから赤司は帰り再び青峰と二人っきりになった。
「お前さぁ……」
「お前じゃない、しおりだもん。」
「……しおりはなんでオレが嫌いなんだ??」
「今の青峰はわりと好きだよ??でも……色々あるんだよ……。あ、そういやマンガどこやったのかな??」
「マンガってあの本か??鞄に入れといたぜ。」
「ふーん、ありがとー」
それから会話は途切れて青峰は寝てわたしも眠たくなり眠った。
_____________________
『しおりって最低だね……』
『かなちゃん泣かしたって本当だったんだね!!見損なったよ!!』
『わたしはそんな誰かを泣かせるなんて……!!わたしそんな誰かの心を動かすようなことできないもん……』
『偽善者……!!』
『かなちゃん……わたしたち、友だちだよね……??』
『はぁ、なにいってんの??あんたみたいな偽善者、わたしは知らないわ!!』
『お母さん!!お父さん!!わたしを一人にしないで!!』
『……っ、誰かっ……わたしを助けてよぉ……』
1年前の悲しい記憶。
友だちと思っていた人に騙され、両親を亡くし親戚の人には避けられいつもひとりぼっちだった。
あの頃泣いていた自分の姿がみえる。
ねぇ、泣かないでよ……。弱い自分見るの嫌いなんだ……。
笑っておいた方がいいよ??
あと諦めないでよ……
_____________________
「ちゃんと……やってよ…スースー……」
「……しおり??寝言か……」
青峰はしおりの髪にふれる。そしてポンポンと優しく撫でる。
しおりは顔をしかめてその手をはねのけた。
キーンコーンカーンコーン……
午前中の授業の終了の合図のチャイムがなる。
最初のコメントを投稿しよう!