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部屋に戻ってきた僕たちは、しばらく無言のままいた。
ふいに、ユズが口を開いた。
「なんか想像してたより、すげーとこきちゃったな・・・」
「ん・・・そうだね。」
「俺は、葉月みたく頭よくないからわかんねーけどっ、でも野球やりたくて・・・甲子園行きたくてここきたし。そんな生徒会とか恋愛とか言われてもいまいちピンとこないってゆーか・・・」
「うん・・・」
「ピンとこないのは僕だって同じだよ。明日からすごく不安だもん・・・ユズみたいにすぐに友達できるか不安でいっぱいだよ・・・」
「葉月・・・」
明日からがんばろーぜ!といってユズは僕のことをギュってしてくれた・・・
「大丈夫!!葉月のことは俺が守るから、何かあったらすぐに言えよ!!」
(く、くるしっ・・・)
暴れる僕を抱きしめたままユズが呟く。
「ぷはっ・・・何言ってんの!?そんな時ばっかお兄さんぶらないでよねっ!!」
(きっとユズも不安なんだろーなぁ・・・)
「大丈夫だよ!」
そういって僕はにっこり笑った。
こうして学園での初日は更けていった。
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