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朝の食堂は混み合っていたけど、ユズが席を見つけてくれたからそこに座る。
余り食欲が無いから、ミルクたっぷりのロイヤルミルクティーだけにした。
「それだけっ?」
ちびちびと無言でミルクティーをすする僕を見て、信じられないといった呆れ顔のユズ。
「お腹空いてないし…」
「……葉月っ口開けて!」
「何?っっっ!!!」
葉月の口にソーセージが入れられた。
食べなきゃダメだ!ってユズがブツブツ言う。
「ごちそうさま!ありがとねユズっ。僕は大丈夫だよ。それよりそろそろ行かないとだね!」
そうだった!とユズが慌ててご飯を食べる。
「そんなに慌てなくても…」
僕は思わず苦笑した。
そんな僕たちのやり取りが好奇の目で見られていたと知ったのはもっと後のことだった。
学校に着くと臨時の掲示板が建てられ、各学年のクラスが掲示されていた。
喜びや哀しみ、その場の一喜一憂する生徒たちの間を通り抜けて僕たちは自分たちの名前を探した。
「体育科は…あった!俺S組だ!」
ユズはスポーツ推薦だから、クラスが別になることは前から知っていた。
まあ、僕たちは双子だから、クラスが同じになることはないんだけどね...
そんなことには慣れているので僕は僕で自分のクラスを探した。
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