入学式~柚樹編~

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「まもなく式が始まりますので、新入生の皆さんは静かにしてください!!」 という声がどこからともなく聞こえてきたので、俺と充志の会話は途切れた。 ?つーか、話なげぇ!! 何これ?拷問?マジ罰ゲームだし... 俺はじっとしていられない性質なので、黙って座って難しい話を長々と聞くのが苦手だ。 (野球の話なら別なんだけどな...) そういってそっと欠伸をした。 そのうち周りが煩くなっったので、思わずキョロキョロしてしまう。 「きゃー!!」 へんな歓声まで聞こえてきた。 「ぅわ・・・なんだこれ?」 キモっと思って隣に座ってた充志に聞いた。 充志がそっと 「生徒会の紹介だから...」 と小声で教えてくれた。 耳を澄ますと、 「かっこい~!!」とか 「素敵・・・」とうっとりする奴、「やりてぇ~」だの「抱いて下さい!!」だの聞こえてきた。 「......!?」 わけわかんねーつか、みんな男だろ?と俺は理解に苦しんでいた。 そのうち歓声が一際大きくなったと思って壇上を見たら、 ーーーあの時のアイツがいた。 あの時の短髪の人が代表で挨拶をしていた。 俺は思わずその姿を見入ってしまった。 スラリとした長い足、整った端整な顔立ち。 女の子だったら誰だってドキッとするんだろーなぁと思いながらも... その刹那、目が合ったような気がした... 気がつくともう式は終わってみんな次々と退場をしている。 俺も慌ててその波に遅れないよう急いだ。
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