イケメンに出会う!~ 桜子 ~

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「いらっしゃいませ~!」 カフェなんておしゃれなお店じゃない。 普通の喫茶店でバイトする私だけど、このバイトの時間がすごく好きだった。 めちゃめちゃ忙しくもなく、めちゃめちゃヒマでもなく、すごく平凡で穏やかな時間だから。 マスターもすごくいい人だし、奥さんもよくしてくれて、ご夫婦様々だと思ってる。 時給もすごくいいわけじゃないけど、好きなんだ、この時間。 「ご注文はお決まりですか?」 「ホットコーヒー、下さい」 「はい、かしこまりました。マスター、ホットワンです!」 私は用意されたコーヒーとモーニングサービスのバタートーストとミニサラダ、ゆで卵のプレートとコーンスープを運んだ。 「お待たせしました。ごゆっくり~」 「すいません。こんなに頼んでいません」 「モーニングサービスですよ。無料ですよ」 私は笑顔で答えた。 「そうなんですか?ありがとうございます」 お客さんは笑顔でそう答えた。 今時、モーニング知らないなんてどんな人? 「モーニングは初めてですか?」 私はどうしても気になって聞き返した。 「はい。喫茶店てあまり入ったことなくて・・・。知っていたら、ホテルの朝食食べてきませんでした」 彼はそう笑顔で答えた。 「ホテルで朝食って、ご旅行ですか?」 「はい。そうです」 「へぇ!そうなんですか!あっ、いらっしゃいませ。じゃあ、ゆっくりして言って下さいね!」 お客さんが来てしまったので笑顔でそう言うと、彼も笑顔だった。
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