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次の日、密かに彼が来ることを願いながら仕事を続けていた。
でも、気になりすぎて入口ばっかり見ちゃうんだけどね。
そして昨日と同じくらいの時間に、カランと言う音と共に彼がやってきた。
私の顔を見るなり手を上げて笑顔を見せた。
この展開に頬が熱くなるのを感じて、少し照れ臭くなった。
昨日知り合ったばかりなのに、あの笑顔、反則です。
「いらっしゃいませ」
「今日もホットコーヒー下さい」
「はい、かしこまりました」
彼の少し茶色がかった瞳に見つめられて、胸がドキドキしてコーヒーを運ぶ手が少し震えた。
この緊張感、忘れてた気がする。
『ごゆっくり』そう言って離れようとしたら、彼が手首を掴んだ。
「待って。今日は何時まで仕事なの?」
「え?」
「仕事の後、時間ありませんか?」
「え?」
今の私、少し口が空いてすごく間抜けな顔してると思う。
彼はそんな私を見つめて笑顔で返事を待っていた。
「あの・・・」
「食事でもご一緒しませんか?」
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