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その申し出に口から心臓が出るんじゃないかと思うくらい驚いて、瞬きを何度も何度も繰り返してしまった。
「ダメですか?」
彼がそう言って私を甘えるような目付きで見つめて来た。
うわぁ、その顔、可愛いすぎる!
「ダメ、と言うか何と言うか・・・」
私が困って言葉に詰まっていると、手首を掴んだ手を離してくれた。
「すいません。いきなりでしたね・・・」
彼はそう言って寂しそうな顔をして俯くと
「じゃあ、僕、毎日ここに通います。僕と食事へ行ってもいいと思ったら声をかけて下さい」
と私を見上げてそう言った。
「いえ、あの、そうじゃなくて・・・」
私、どうしたいの?!
「ちょっとビックリして。その、なんて言うか、お客様すごくイケメンなので・・・、私をなんで誘ってくれるのかとかなんて言うか・・・」
私が少しトーンダウンした声で言うと彼はビックリしたように目を大きく開けた。
「どうして?!可愛いのに!是非、食事を一緒に行きましょう!」
彼はパーッと明るい顔になって笑顔でそう言うけど、可愛いとか言われ慣れない私の顔はたぶん真っ赤になっていると思う。
咄嗟にマスターの顔を見たら、行ってきなさいと言わんばかりの眼差しで見つめていて、奥さんは笑顔でこちらを見ていた。
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