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沖田
「へえ~。君でも一応、そう言う『自覚』はあるんだ?」
『からかい』を、過分に含んだ沖田の声に、千鶴は俯いてしまう。咲夜は、射殺さんばかりに睨み付け、斎藤は『無言の圧力』を掛けていた。
対する沖田は、飄々とした態度を崩さず、若干、楽しそうにも見える。
明らかに千鶴(と言うよりは咲夜)が、『どう反応する』のか、面白がっているのだろう。
沖田
「………まぁ、そんなに言うなら、僕らの巡察に同行してもらう、って『手』もあるけどね?」
その言葉に、咲夜と千鶴が同時に目を瞬かせた。千鶴はともかく。あの咲夜が、目を丸くしている表情など、滅多に拝めるものではない。
斎藤
「…………総司、滅多な事を言うな。今の市中が、どれだけ『危険』か、わかっているのか?」
『懸念』を滲ませる斎藤の声に答えたのは、沖田ではなく、千鶴であった。
千鶴
「ッ私、自分の身くらい自分で護れます。小太刀の道場にも通ってましたし……………。」
ーそれは、何の『保証』にもならないー
多くの武士(旗本や御家人)の『刀』が、宝の持ち腐れである『お飾り』となってしまっているのだ。
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