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ミルカは手を広げた。
すると、光が灯ったかと思うと、剣がミルカの手元に現れミルカはそれを手にとって構えた。
剣の光で部屋が照らされミルカの緊張した表情と男の野生にかえったような姿が照らしだされる。
「ぐへへへっ」
男は下劣な笑い声をあげる。
下半身は毛むくじゃらな素肌を露出させている。
それはもう、今は少女のミルカには見るに耐えない光景だった。
ただ、男の気持ちは拓広の意思を持つミルカにはわからなくもなかった。
拓広だった頃、アイドルとしてテレビに映っていたミルカに、そう言ったある種の感情を抱いていたのは言うまでもない。
しかし、その『ミルカ』の身体を傷付けさせないように、拓広と言う意思はミルカを守るように男を睨んでいた。
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