クズ野郎と魔法少女異説

魔法少女のなくした未来を

実際、獣のような男の前に少女が一人警戒して武器を構えている姿があるが、拓広の中のイメージでは、怯えて膝を付いているミルカの前に立ち、彼女を守る拓広の構図が出来上がっていた。

「ミルカちゃんはこの僕が守ってやる…！来るなら来い！！」

半裸の魔法少女姿の拓広の意思を持つ少女の身体からは汗が滴る。

熊のようにも見える男は下劣に笑いながら下半身を見せびらかすように立っている。

確かにおぞましい姿ではあるが元々大人の青年である拓広にはそれを見た所でどうも思わない。

しかし少女の身体を傷付けさせないとある種の正義感から剣で叩っ斬らんと可憐な姿の少女が射るような目でその男を睨んでいた。