16人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
ナイトメアの体はその醜い容姿をした男よりも遥かに醜悪で、まるで地球の生物とはおよそ考えにくい姿をしていた。
頭部は粘液が髪の毛のように垂れていてワンピースのような胴体からは無数の足が生えている。
そして周りの空間は歪みはじめ、見たこともない絵で描いたような景色が映り奇妙な姿をした生物がウヨウヨと蠢いている。
そんなナイトメアの姿、そしておぞましい景色を目の当たりにしたミルカは思わず腰を抜かしてしまう。
「あわわ…ごめんなさい!」
ミルカは、粘液のような頭部を逆立て怒りを露わにするナイトメアを前に半泣きで謝りだした。
もはやミルカの中に正義感も使命感もない。
あるのはナイトメアの恐ろしい姿をした魔物への恐怖心だった。
謝る事に何の意味も無いがミルカには戦う意志よりも謝って危機を回避しようとするクズ精神しか残っていなかった。
その直後にミルカの前からナイトメアはいなくなった。
しかしその直後ミルカの身体に異変が起こるのだった。
最初のコメントを投稿しよう!