16人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
ミルカ(意思は拓広)は父親の強さを垣間見て以来、懸命に稽古やレッスンに励むようになった。
(僕はお父さんのように強くならないといけない!守られてばかりじゃ駄目なんだ!)
拓広一人ではミルカを守る事が出来なかった。
間違いなくゲロトルートの餌食になっていただろう。
ミルカがこうしているのは父親やあの少年の活躍があってこそなのである。
だからこそ、ミルカは一人でも身を守れるように積極的に護身術の稽古などを習うようになった。
久しぶりに熱心に活動をする娘の様子を見て両親は話し合う。
「ほら見なよ、いつぶりだろうか?あんなにレッスンに熱心に励むようになったの、目だってあんなにキラキラしてる!」
嬉しそうに父親は言う。
拓広とミルカの体と意思が入れ替わって以降、ミルカは気だるそうに、嫌々稽古をしていた感じだったが、あの件から自分も強くなろうと懸命に稽古に励むようになったのだ。
母親は言う。
「当然です、あの娘(こ)にはもっと立派になってもらわないといけません!」
「ははっ、厳しいな母さんは…」
とは言うが母親も顔はほっこりしているようにも見える。
母親も接し方は厳しいものの近頃のミルカを何気に気にかけていた。
そして少し思った。
(少しは私もあの子を労ってあげなくては…)
最初のコメントを投稿しよう!