魔法少女が溢れだした不安

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あれは三ヶ月くらい前のこと…。 猫背で蒼白な顔の青年がビルの屋上で悩みに悩んだ表情で地上を見降ろしていた。 『こんな何もかもが歪んだ世界に生きていける自信が無い…いっそのこと死んでしまおう…!』 職を転々とし街中ではカツアゲの被害に遭い、女子からは気持ち悪がられ友達もいないクズ野郎は今この世でただのクズになろうとしていた。 その時拓広のすぐそばで可愛らしい声がきこえてきた。 「何故死のうとするんだい?君にはまだ大事な使命があると言うのに…」 拓広はその声に気づき辺りを見渡したがその声の主は見えなかった。 「ここだよ、下を見てごらん、そこの魚の死んだような顔のクズ野郎♪」 「えっ?」 拓広の足元には一匹の白い動物が猫が甘えるように拓広の足に体を擦り付けていた。 白くフサフサした毛に赤い目、ネコのような耳にさらにそこから長い耳が生えたその小動物が拓広に話しかけてきたようだ。 「やあ、僕の名前はQB!君が一番なりたい人物を言ってごらん?」 QBと名乗ったその小動物は戸惑った表情の拓広に明るい声で聞いてきた。
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