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そして美優は母親がいないのを疑問に持つ年頃まで成長した。
「ねえ、なんで美優にはママがいないのぉ?」
いつか来るとは思っていたのだが…
あまりにも突然にされたその質問に少し戸惑った。
俺は美優を抱きかかえて頭をなでてあげた。
美優は嬉しそうに笑いながら、俺の顔を見た。
「ママは天国にいるんだよ。」
「天国?」
「そう、天国。」
美優は首を傾げた。
「ママは美優のことは天国からいつも見ているんだよ。」
俺は涙がこみ上げてきた。しかし、グッとこらえる。
美優は天国がどこか分からないようでキョトンとしていた。
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