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「来た。……早かったな。
良かった、間に合って」
更科くんがすたすたと
玄関の方に向かう。
「…待って…。誰?」
わたしが立ち上がって訊くと、
更科くんは振り返って、
「今、萌が一番会いたい人」
「…えっ…」
まさか…。
カチャリ、と鍵が
外され、扉が開く。
「よく、迷わずに
来られましたね。
あれ。もしかして…。
エレベーター待ちきれなくて、
階段駆け上がって来ました?」
くす、と笑って更科くんが
身体を引くと、そこに
立っていたのは…。
「…春山先生…」
春山先生は荒く息をしながら
玄関に踏み入って来た。
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