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教室に戻ると、
散乱した空き段ボールの山を、
ウエイトレス姿の彩加が
一人で潰していた。
ボス、と踏みつぶそうとして、
段ボールの中に片足を
呑みこまれ、じたばたしている。
ぼんやりとその様子を眺めていると、
彩加がこちらに気付いた。
「あ、もえっ、お疲れさま!!
放送、聞いてたよ!!
めちゃめちゃ面白…かった…」
わたしの顔を見て、
彩加の顔が固まる。
「…どうした?萌…」
段ボールから何とか
足を引き抜いて、彩加は
わたしのところに
駆け寄って来た。
ハンカチを出そうとして
持っていない事に気付き、
その辺に放置してあった
誰のものかよく分からない
タオルを手に取る。
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