-3-

2/24
358人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
放送部室の扉をノックすると、 どうぞ、という声が返って来た。 その声に驚いて扉を開けると、 窓際に春山先生が立っていた。 「おつかれ」 「お疲れ様です…」 部屋の中には、 他の部員の姿が無かった。 「迷子係、俺の番だから。 みんな、昼休憩」 わたしが不思議そうな顔を していたからか、先生が言った。 窓際のライティングデスクの上から 原稿を取り上げ、 テーブルの方に歩み寄る。 「午前の放送、評判良かったよ」 「ありがとうございます」 「午後もがんばって」 「はい」 席に座ろうとした先生が、 ふとわたしの顔に目を留めた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!