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「…椎名」 いきなり頭の上で声がして、 わたしは慌てて立ち上がった。 ごち、と頭に げんこつをもらったような 衝撃を受け、その痛みに もう一度よろけ、しゃがみ込む。 「いったあ…」 思わず呟いて、 頭のてっぺんをさすりながら 何とか顔を上げると、 春山先生がアゴを押さえ、 壁に手をついて 痛みに耐えていた。 「…ああっ…すみませんっ」 わたしは駆け寄って、 先生の顔を覗き込んだ。 「あのっ、ごめんなさい、 …大丈夫ですか…?」 「…大丈夫…」 言いながら、先生は あまりのダメージに 動くことも出来ないようだった。
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