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「…ごめんなさい…どうしよう…
骨、折れてたりしたら…」
「いや、ほんと、大丈夫」
先生はようやく顔を上げ、
痛みに顔を歪めつつ、
わたしの方に手を伸ばした。
頭に手を乗せ、
撫で撫でとさする。
「痛かった?」
「……」
…せんせえ…。
その優しさにうっとりしていると、
先生は真面目な顔で、
「素晴らしい強度だな、
お前の頭蓋骨」
「……」
頭蓋骨、誉められても……。
「椎名、そろそろ交代するから
向こうで食べておいで」
「えっ」
「腹減っただろ。
悪かったな、ずっと働かせて」
「あ、いえ…」
先生は手早くシャツの腕を捲り、
手を洗い始めた。
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