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「変というか、お食事に行った時の貴方のほうが自然だったので」
ハッキリ変だとは言えない。
「浪漫ですかね。この格好をして、いろいろと過去に思いを馳せているんです」
彼は少し遠い目をした。
目線の先に何を見ているのかは分からないけれど、何か強い思い入れがあるように思えた。
「ロマンチストなんですね」
「あはは。そういうことにしておきましょう」
遮る眼鏡のない彼が、初めて見せた照れ笑いだった。
「また寄ってもいいですか?」
一時間程のお喋りの後、帰り際になって私は彼に聞いた。
「いつでも、お待ちしてますよ」
彼は笑顔で答えてくれた。
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