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文房具店で寄り道をしたので、帰りがかなり遅くなってしまった。
部屋に入るなり、私は帰りに購入した缶ビールを開け、一口だけ飲んだ。
「はぁ」
『また来てもいいですか』と、思わず言ってしまった。
彼と話をしていると自然でいられる。
背徳の私を知った上で、それでも当たり前のように接してくれる。
私を甘やかしてくれる。
そう、私は誰かに甘えたいだけ。
単に、逃げたいだけ。
いつからこんなに情けない女になったんだろう。
思わずついたため息は、自分の弱さに対するものだった。
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