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バレてる・・・。
私がこれから誰と会うのか、彼は気付いているんだ。
『ええ、おかげさまで』って、言えば済む。
簡単な嘘なのに、言葉にならない。
相当長い沈黙が続いたけれど、いつもみたいに優しく話題を変えてくれる様子も無い。
「ごめんなさい・・・」
結局、どうにか言葉にできたのは謝罪だった。
謝るくらいなら、行かなければいい。
今から電話して修二に断ることだって出来ないわけじゃない。
それをきっかけに、この関係を終わりに出来たらいい。
そうすることが私にとっても、社会的にも、最善。
そんな常識は私にだってわかってる。
だけど、私は・・・
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