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翌日、仕事が終わると直ぐに文房具店に向かった。
昨日、少し気まずい形で別れたけれど、彼はそんなことで機嫌を悪くするような心の小さな人じゃない。
いつだって、私を受け入れて優しくしてくれる。
「こんばんは」
私はいつも通り挨拶をして、今日の手土産を渡そうとした。
いつものスタイルで、いつも通りカウンターに座っている彼。だけど、いつも通りの返事はない。
「・・・あのぅ」
もしかしたら機嫌を損ねてしまったかもって、少しだけ不安がよぎったけれど、彼に限ってそれは無い。
顔を覗き込むように、そっと近づいた私に、
「何の用ですか?」
彼は低く棘のある声を出した。
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