Day or Night①

20/27
前へ
/27ページ
次へ
翌日、仕事が終わると直ぐに文房具店に向かった。 昨日、少し気まずい形で別れたけれど、彼はそんなことで機嫌を悪くするような心の小さな人じゃない。 いつだって、私を受け入れて優しくしてくれる。 「こんばんは」 私はいつも通り挨拶をして、今日の手土産を渡そうとした。 いつものスタイルで、いつも通りカウンターに座っている彼。だけど、いつも通りの返事はない。 「・・・あのぅ」 もしかしたら機嫌を損ねてしまったかもって、少しだけ不安がよぎったけれど、彼に限ってそれは無い。 顔を覗き込むように、そっと近づいた私に、 「何の用ですか?」 彼は低く棘のある声を出した。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

200人が本棚に入れています
本棚に追加