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いつもは何かしら話題を提供してくれる彼も、さっきの修羅場の後は殆ど口を開かない。
もちろん、ここで無関係な話題を提供されても誠実さに欠けていて引いてしまう。
無言のまま、かなり走ったと思う。
オフィス街を抜けて、高層ビルは見えなくなった。
「ファストフードでも良いですか?このまま夜景でも見に行こうと思うのですが」
「はい・・・」
この車に同乗している以上、拒否して帰ることもできない。
適当にドライブスルーで購入したポテトをかじりながら、ぐねぐねと小高い山の展望台までたどり着いた。
「もう、聞きたいことは無いですか?僕が逆の立場なら、もっと質問攻めにします」
展望台に設けられたベンチに向かって歩きながら、彼は私に問いかけた。
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