Day or Night③

14/23
217人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「・・・ありがとうございます」 結局、買ってもらってしまったクラゲのぬいぐるみ。 もちろんかなり強く遠慮したけれど、止められなかった。 「お弁当のお礼ですよ」 なんて言っているけれど、どう考えても彼のほうが支払いが多い。 どうしても、申し訳なく感じてしまう。 それはたぶん、彼が私を思ってくれているようには、私は彼を思っていないから。 もちろん、今は彼のことを嫌いじゃない。 とっても素敵な人だし、すごく私を大事に思ってくれていることは伝わってくる。 踏み込めない申し訳なさが、私に引け目を感じさせているのだろうか。 「そんなに困らないで下さい。ワガママに付き合って貰ってるお詫びでもありますから」 黙り込んだ私の頬を指でツンツンとつついて私の表情を緩ませた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!