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「・・・ありがとうございます」
結局、買ってもらってしまったクラゲのぬいぐるみ。
もちろんかなり強く遠慮したけれど、止められなかった。
「お弁当のお礼ですよ」
なんて言っているけれど、どう考えても彼のほうが支払いが多い。
どうしても、申し訳なく感じてしまう。
それはたぶん、彼が私を思ってくれているようには、私は彼を思っていないから。
もちろん、今は彼のことを嫌いじゃない。
とっても素敵な人だし、すごく私を大事に思ってくれていることは伝わってくる。
踏み込めない申し訳なさが、私に引け目を感じさせているのだろうか。
「そんなに困らないで下さい。ワガママに付き合って貰ってるお詫びでもありますから」
黙り込んだ私の頬を指でツンツンとつついて私の表情を緩ませた。
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