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外に出ると、既に夕暮れが迫っていた。
水平線に太陽が沈もうとしている。
「すごい綺麗!写真撮ってもいいですか?」
山間の田舎育ちのせいか、海を見るといまだに少し胸が躍る。彼の返事を聞く前から、私はバッグの中の携帯を取り出していた。
「もちろんですよ。僕も・・・収めておこうかな」
「真理さん、早くしないと夕日沈んじゃいますよ」
私ははしゃいで写真を何枚も撮った。
彼も私の少し後ろから撮影しているようで、携帯のカメラのシャッター音が微かに聞こえている。
撮っては確認して、失敗したものは消去して。満足できるものが撮れるまで、私は夢中になっていた。
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