揺れ動く①

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助けを求めたくて勢い良く建物の中に入った私。 だけど、恐怖で声が出ない。 私は、震えて縋るように彼の目を見た。 「どうしました?何かあったんですか?」 いつも通りカウンターに座っていた彼が、ただならぬ様子を察知して、こちらに出て来る。 「たす・・・けて。誰かに後をつけられてて・・・」 震える右手で彼の服を握る。 「え!本当ですか!?」 真理さんは驚きながら店の外に目をやると、外に出て辺りを見回した。 「大丈夫。誰も居ませんでしたよ」 戻ってきた彼は私の頭を優しく撫でて言った。 「本当なんです。すごく古いスニーカーを履いてて、どこに行っても付いて来るんです」 信じてもらえてない気がした。だって、後をつけられるなんて、日常生活では有り得ない。 「疑ってませんよ。可哀想に、怖い思いをしましたね」 そう言うと、必死に訴える私を柔らかく抱きしめた。
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