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早希は延々と泣いて悲しみを訴え続けた。
申し訳ないけれど、私はそれ以降早希の話が耳に入ってこなかった。
思いを吐き出したことで落ち着いた早希は、昼前には事務所に復帰して腫れた目で仕事をしている。
それとは対照的に私の心は迷宮に迷い込み、涙を流せるほど状況を理解できなかった。
あと一時間もしないうちに修二は会社にやって来るだろう。
本当なら、即座に問いただしたい。
早希の言ったことが事実なら、詰め寄って平手打ちの一つでも喰らわしてやりたい。
でも、離婚が事実なら・・・
平手打ち一つで修二を許すなら・・・
私たち・・・終わらなくても良いのかも。
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