揺れ動く②

23/24
367人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
早希は延々と泣いて悲しみを訴え続けた。 申し訳ないけれど、私はそれ以降早希の話が耳に入ってこなかった。 思いを吐き出したことで落ち着いた早希は、昼前には事務所に復帰して腫れた目で仕事をしている。 それとは対照的に私の心は迷宮に迷い込み、涙を流せるほど状況を理解できなかった。 あと一時間もしないうちに修二は会社にやって来るだろう。 本当なら、即座に問いただしたい。 早希の言ったことが事実なら、詰め寄って平手打ちの一つでも喰らわしてやりたい。 でも、離婚が事実なら・・・ 平手打ち一つで修二を許すなら・・・ 私たち・・・終わらなくても良いのかも。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!