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私もそうだったから分かる。
修二の生活を、社会的な評価を、彼の全てを守りたくて、ワガママを抑えてた。
私は早希を友達だとは思ってないし、好感も抱いてない。
だけど女として、今彼女の気持は良く分かる。
修二の今の態度や発言は、『女』としての私が許さない。
「嫌だよ京香。俺はお前と別れる気は無いぞ!」
ここは料理屋。いくら個室だからって、障子一枚で仕切られた空間。
みっともない。そんな大声出さないでよ。
「そ、そうか!誰かに後をつけられてるって、それが不安なのか?」
尚も大声で捲し立てる修二。
もう・・・止めて欲しい。
「だったら俺の元嫁の仕業じゃない。だって俺たちお互いの浮気を暴露し合って別れたんだ。お互いなのに、今さら探偵頼んだりしないだろ?」
そういえば、あの尾行は・・・ 奥さんじゃなかったとしたら。
そうは思うけれど、今はそのことはどうでもいい。
「俺が守ってやるよ。俺が京香を・・・」
「も・・・めて・・・」
「え?何?」
「もう止めて。修二、私、今の貴方、好きじゃない」
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