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「どういうことなの?」
和食の店の個室。
いつも待ち合わせに使った場所で、私は修二と向かい合わせに座っている。
真理さんには『今日は弟と食事だから先にタクシーで帰る』と嘘をついた。
後をつけられているかもしれない私を、彼が心配しないように・・・。
と言えば体が良い。
だけど本当は、修二と二人で話がしたかった。
もちろん、修二と再びどうこうなろうと思っているわけじゃない。
ただ、早希の話の真相を確かめたかった。
早希と私、修二にとってどちらが大切だったのか。
『久しぶりね』とか『会いたかった』とか、そんな甘い言葉のやりとりはもちろん無い。
「黙ってないで、ちゃんと説明してよ」
私は修二が自ら全てを打ち明けてくれることを願った。
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