追い討ち①

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「早希?東郷のことか?」 「そ、そうよ」 今の修二の反応じゃ、本当に彼女と何もないのか、シラを切ってるのか分からない。 「何でオレがアイツと結婚すんの?」 「修二・・・」 あの早希の涙、いくら彼女が計算高い女でも流石に演技じゃない気がする。 「知らないの?階段の踊場・・・。早希と修二の密会、噂になってるんだよ」 ウソ。これは私の勘。 私と使わなくなったあの場所を二人は頻繁に使ってる。 多分、先日階段を使う早希の姿を見かけた時も、昨日修二を見かけた時も、二人は一緒だったのだと思う。 修二は私を探して階段に行ったんじゃない。 出張から帰って、真っ先に早希と落ち合ったんだ。 私のかけたカマに修二がどんな反応を返すのか、私は『真実を知りたい』という自分の意志が伝わるよう、彼を責める口調で回答を迫った。
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